コーチング事例集:コーチ養成講座で実践的なコーチング技能と資格取得を。セミナー、研修、コーチングであなたの課題を解決

コーチング事例集

若い起業家へのコーチング~戦略を立て、実行する経営者の支援にコーチングが有効であることに気づく~

起業をめざす人が増えています。若い人の場合は、職業経験年数も浅く、経営や人材育成に関するコンサルティングと、これまでの職業経験をいかにつなぐか、あるいは、いかに次の問題を引き起こさせないようにするかという防衛のためのコーチングセッションをご紹介しましょう。

「こんにちは、長田さん」
「こんにちはコーチ、前回は、適切なコンサルテーション、ありがとうございました。ホント!助かりました」

「お役に立てて、嬉しく思います。企業にとって、情報管理は重要な問題ですよね。今回は、たまたま早く分かったから良かったですが、派遣社員の人が家に仕事を持ち帰って家で仕事をされていたわけですよね、その結果、もしも顧客データを流失させたらトンでもないことになっていましたね」
「はい、正社員でない人については、私はこれまで社員として人材派遣会社からの社員との付き合いしかありませんでした。これまでは、同じ社員という立場で付き合っていましたが、派遣社員とはいえ、仕事熱心な人は、仕事を家でするために情報を持って帰ることが現実にあるんだということを考えていなかったので、正直、派遣社員の人を見る目が甘かったなと感じました」

「なるほど、これまでは同じ立場の社員だから、人材派遣会社の社員の立場をしっかり認識していなかったということでしょうか?」
「ええ、そうですね。使ってみてはじめて分かったことは、彼らの不安定な立場が理解出来ていなかったことですね。しかし、だからといって、私には正社員の管理をするという役目があるわけですから、派遣の社員ばかりにかまうことも出来ず、難しい立場だなぁと思いました。すべての社員の一人ひとりを、それぞれ、個別に管理するなんて、自分には到底出来ないと思いましたね・・・」

「なるほどね、一人ひとりを、それぞれに個別に満足させようとするような管理は、大変だということを学ばれたわけですね」
「はい。派遣会社の社員だからとか、自分が雇った社員だからということで区別はしてはならないと思いますが、実際には、手が回りません。派遣会社の社員の管理は、出来れば派遣元にお願いして、自分の社員の管理にだけ全力投球させてもらえたら・・と思いました。その上、今回のように顧客データを持ち帰って、自宅で仕事しようという人が出たことは、嬉しい反面、そんな大事なというか、基本的なこともちゃんと説明出来てなかった自分を、責めてしまいました」

「辛かったですね・・。今回、派遣会社の社員は、どうして自宅で仕事をするしかないと、考えてしまったんでしょうか?」
「やはり、私が、厳しく期限を守ってくださいといったことに原因があると思っています。期限を守って仕事をするのは当たり前ですが、残業契約のない派遣社員には、仕事のボリュームが適切ではなかったのではないかと反省しています」

「なるほど、期限を最優先してしまって、働く時間と、作業内容のボリュームが一致していなかったということですね」
「はい、そうですね。残業が出来ないのに、期日を守れ守れじゃ、無理ですよね」

「今回の問題で学習したことは何ですか?」
「はい、働く時間と作業の内容と、ボリューム(量)とのバランスを図らないと、相手を追い詰めるということでしょうか?」

「なるほどね、バランスをとらないと、思わぬトラブルを引き起こすことになるということを学ばれたわけですね」
「はい、そうですね」

「そのボリュームをとるためには、どうしたらいいんでしょうか?」
「はい、まず、もう、自分ですべてを管理しようとすることはやめようと思います。正直いって出来ないということに気づきました」

「具体的にどうしますか?」
「はい、私の下にいる部下に派遣会社の社員の管理を任せることにしました」

「部下に、派遣会社の社員をまとめさせるために、気をつけたほうがいいことは何ですか?」
「先にも申しましたが、派遣会社の社員は、どんなに自分がいっぱいいっぱいであっても、弱音を吐くところがありません。だから、小まめにコミュニケーションをとってもらって、ガス抜きすることだと思います」

「なるほど、小まめにコミュニケーションをとることが重要な要素である。他には?」
「はい、社員と同じように目標を持たせて、1週間、四週間、三ヶ月、六ヶ月の目標と達成について、管理することだと思いました。1日、1日での勝負ではなく、ある程度、長い目で見た目標達成や満足度を高めることが大事だということに気づかされました」

「なるほどね、時間的なゆとりがないからこそ、部下に任せてもいいことは任せる、自分がしなければならないことは自分でするけれども、優先順位をつけながら仕事を進めるということを学習されたわけですね」

「そうですね。私は自分ひとりで仕事をしていた気がします。自分以外の人を信頼していなかったのかもしれませんね」
「それだけ、ご自身にゆとりがなかったのかもしれませんね」

「そうかもしれませんね・・・」
「今回は情報の流出を防げましたが、今後こんな危機感を味わうことがないようにするために、人材管理というか、育成に努めれば防げますか?」

「いいえ、それだけでは完全ではないでしょう・・しかし、完全に防ぐことをめざすよりも、完全でなかったときにどうするかを含めて、企業防衛について、真剣に考えておくべきだと言うことは学習しましたから、社内にPJを立ち上げようと思います」
「人を信じないということですか?」

「そこまでは極端に思っていませんが、どんな場合にも備えがあれば憂いなしと言うことでしょうかね?」
「なるほどね、管理システムだけでなく、育成の仕組みが出来ればいいですね」

「そうですね。それにしても、会社を立ち上げるだけで精一杯意だったのに、いきなり人の採用や教育、管理をしなければならないなんて、自分に本当にこの先出来るのか不安です」
「コーチである私は、引き続き長田さんの支援をさせていただきたいと思っていますが・・」

「ええ、もちろんです。こんなにたくさんのことを、一人でやろうなんて思わないほうがいい。何でもお任せ出来ることはお任せする。お任せする順番は、コーチと一緒に決めればいい。今回の問題を未然に防ぐことが出来たのは、偶然だったと思います。しかし、これからは、偶然を当てにせず、自力で解決したいと思います」

情報の漏洩は、身近に潜む問題の一つです。もちろん、これを防ぐことが出来たことは何より嬉しいことでしたが、会社経営にコーチングの必要性をひしひしと感じました。

竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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