日常会話2例、コーチがしゃべると・・・~何気ない会話をコーチング的に変化させる事例紹介~

1.お子さんのしつけは、保護者が責任をもって行いましょう
エスカレーターのベルトを、屈んで触って遊んでいます。

兄:「これ、面白いよな」
弟:「うん、お兄ちゃん、でも、お母さんに怒られないかな?」

兄:「大丈夫だって、こっち見てないし」
弟:「そうかなぁ・・・ぐるぐる回るね」

兄:「どんどん出てくるよな」
販売員:「ここで遊ぶと、危険だから、お母さんのところに行こうか?お母さんはどこにいるかな?」

兄:「あっち・・・」
販売員と一緒に売り場中へと進み・・

兄弟:「お母さん!」
販売員:「お子さんがエスカレーターのベルトで遊んでいらっしゃったのでお連れしました」

母:「ほら、だからダメって言ったでしょ?怖いおばちゃんに叱られっちゃったじゃないの、もう・・」
(途中省略)

販売員と一緒に売り場中へと進み

販売員:「お子さんがエスカレーターのベルトで遊んでいらっしゃったのでお連れしました」
母:「お手数をおかけしました。ごめんなさい。私が目を離したものですから」

販売員:「いえ、お怪我がなくてよかったんですが、これからはお気をつけいただけると助かります」
母:「はい、気をつけます」

(子どもたちに向かって)
母:「これから買い物の途中、あなたたちは待っている間どうしたらいいと思う?」
兄:「退屈だし・・・」

母:「そうだね。そうしたら、これからはおうちで留守番する?」
弟:「でも、パフェ食べたいし・・」

母:「そうだね。帰りにパフェ食べるのは楽しいね。でも、ママの買い物を待っているのはつまらない。どうしようか?」
兄:「あのさ、僕たちだけおもちゃ売り場で待ってたらダメなの?」

母:「離れ離れになると、心配だからそれはしたくないと思うなぁ・・」
弟:「じゃぁ、ママが買い物する時間を短くしたら?」

母:「そうだね。出来る限り、短くするように努力するね。あなたたちはどうする?」
弟:「なら、三十分だけは待つとか、ゲームとか持っててやってるとか?」

母:「なるほど、そうだね。それはいいね。売り場でゲームする場所あるかな?」
兄:「あっちに椅子があった」

母:「いつもいつも椅子のあるところでばっかり買い物するかどうかわからないけれども、少し離れても椅子があるところで、ゲームして待っててもらおうかな?」
兄:「うん、そうだね。そうするよ」

母:「よかったわ、エスカレーターで怪我しなくて。よくね、巻き込まれて怪我をするっていうニュースがあるのね。目を離したお母さんも悪いけど、これからはエスカレーターで遊ばないようにしないでもらえるかな?怪我をしたら悲しいから」
兄:「うん、ごめんね」
母:「いいよ」

2.どっちも頑固では家庭の中は暗くなります
妻:「ねぇ、この間話したあなたの転勤の件だけど、子どもたちのことを考えると、どうしてもみんなで一緒に動くことは無理だと思うのよ。あなた、単身赴任して欲しいんだけど・・・」
夫:「子どもにかまけて、お前が仕事を辞めたくないだけだろ?俺の会社は、単身赴任した人はいない。前例がない!いい加減にしろよ」

妻:「そうじゃなくて・・じゃ、転勤先に同じレベルの高校があるの?あんなに一生懸
 命頑張って入ったのよ?それとも何?、子どもたちだけおいていくっていうの?冗談じゃないわ」
夫:「論理の飛躍だね。そんなことは一言も言ってない。でも、とにかく前例がないんだからしようがないだろう」

妻:「じゃ、あなたが会社辞めれば?前例、前例って、未来に前例はないの!あなたが前例になればいいじゃない?それに、世の中とあわなければ、あなたが改善すればいいでしょう?」
夫:「うるさい!もう言うな」

(無言で食事を始める二人)

妻:「あなたと一緒になってから、ずっとあなたの転勤について、いろいろなところで生活出来たけど、今度ばかりは、ちょっと困ったと思うの。あなたはどう思う?」
夫:「そうだなぁ・・子どもも大きくなってきたからなぁ」

妻:「一番困るのは、高校の転校なんだけど、あなたはどう思う?」
夫:「そうだなぁ・・・あんなに受験、頑張ってきたのにな」

妻:「どうする?」
夫:「どうするといわれてもなぁ・・・転勤はもう決まったことだし」

妻:「ごめんね、二つに一つどちらかみたいに考えさせて。ねぇ、私の希望を言ってもいい?」
夫:「なに?」

妻:「あのね、半分、単身赴任ってどうかしら?」
夫:「どういうこと?」

妻:「平日はあなた一人で転勤先で生活して、週末や学校が休みのときは私と子どもたちがあなたのほうへ移動する」
夫:「3人で移動したら、交通費が大変だろう。それにクラブ活動とか、バイトとかあるだろう?現実的じゃないな?」

妻:「そうね。でも、これまでに単身赴任した人はいないんでしょう?あなたの会社での立場が悪くなっても困るわ。子どもたちの学費はかかるもの」
夫:「そうだなぁ・・・今すぐ答えは出せないと思う。もう少し、時間はあるから考えよう。会社にもそれとなく聞いてみるから」

妻:「そうね。よろしくお願いしますね。ご飯にしましょう。冷めちゃうわ」
(ふたり、和やかに食事のテーブルに向かう)


竹内 和美

竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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