コーチング事例集:コーチ養成講座で実践的なコーチング技能と資格取得を。セミナー、研修、コーチングであなたの課題を解決

コーチング事例集

姉妹で始めたカフェ お姉さんの悩み~共同経営者とのコミュニケーションを回復させるためのセッション~


美人姉妹と評判のカフェが出来て半年。
都会ではすっかり定着しているカフェですが、地方都市ではまだ馴染まれず、経営に対する理想と現実のギャップに疲れてきたようです。
今日は、妹の雅恵さんが僻みっぽく、お客さまについて何かと不平や不満をこぼすし、このごろでは、お客様がお帰りになるとすぐ後にでさえ、お客様の悪口を言うようになり、忘れ物でもして引き換えされたらどうしようか?と、はらはらしているお姉さんの悠美さんとのセッションです。
「ちょっと緊張してますか?」
「はい、妹と違って、私はあまり話すのが得意ではないので、上手く話せるかどうか・・・」

「大丈夫ですよ。上手く話す必要はありません・・といいたいところですが、上手いか下手かを決めるのは、自分自身であって私ではありません。つまり、悠美さんが話したいことが話せて上手く出来たと思えば、それで満点。でも、たとえ上手く自分の気持ちが話せないなと感じても、私がお伺いしたいことや、悠美さんとおなじ気持ちになりたいことがあれば、何度も繰り返してお尋ねしますから大丈夫です。落ち着いていただきたいと思います」
「はい、わかりました。今日のテーマは、妹と今後どうやって接していいかということにしたいんですが、よろしいでしょうか?」

「はい、もちろんです。妹さんと今後どう接したらいいかということですね?一緒にお店をなさっているのですから、一日中顔を合わせているんですものね。お話が出来ないと困ることはたくさんありますね?」
「はい、たくさんあります。特に、厨房は私が取り仕切りますが、お客様のことやメニューを決めるのは彼女ですから、何かと話をしなければいけないことが多いんです。でも、今のように、お客様の悪口に同調したり、近所の方とのお付き合いの愚痴を聞かされるばかりでは・・・」

「そうですね。それは辛いですね。お客様の悪口というのは、どんな感じなんでしょうか?」
「そうですねぇ・・たとえば、ランチの時間は、少しでも早くお客様を入れ替えたいのが、経営者としての気持ちですが、女性のお客様はそういうわけにはいきません。『もう、長話して・・・次のお客断らなきゃいかんぶん、請求したろかなぁ』とかっていう感じなんです。心苦しいというか、ハラハラしますね」

「なるほどね。経営者としては大切な要素ではありますけれどもね。回転率が下がるということはね」
「言い方もあるのかな?って思うんです。それに、親しいお客様にそれを口にして言ってしまうので、お客様からお客様に漏れやしないかと・・」

「お気詰まりですね」
「ご近所の人のことに関しては、皆がどんなにいい人だねって言ってても、欠点というか、悪口を言うんです。だんだん、妹の顔を見るのも嫌になってきてしまって・・」

「妹さんには、どうなってもらいたいんですか」
「店を開いたときに、二人で話したお店にするために、ちゃんとやってもらいたいんです」

「悠美さんは、どんなお店にしたいんですか?」
「そうですね、来店者数を増やすことも重要ですが、根強いファンが出来る店にしたいんです」

「そのためには?」
「そのためには、入りやすさや、居心地の良さをアピールしたいんです」

「そのためには?」
「うん・・・・駐車場の問題は重要な要素の一つでしょうし」

「そのほかに大切なことを三つ考えてみましょうか?」
「三つもですか?・・・あるかなぁ・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ひとつ、私の考えを聞いていただけますか?」

「はい・・はい、お願いします」
「お二人のわだかまりを取ることによって、店内の雰囲気を明るくすることです」

「え?」
「おそらく、客足が落ちていると思うんです。これには根拠はありません。ですが、人間、自分のお金を払って食事やお茶をするのに、居心地の悪いところは足を向けません。このごろ、お二人がそれぞれお互いに言いたいことがあるのに、言わずにおなかの中に溜め込んでいるぎすぎすした関係の店が、居心地がいいと思いません。ということは、客足も鈍っているはずです」

「たしかに、このところ、売り上げは確実に落ちていますが・・・」
「売り上げが落ちているのは、誰の責任でしょうか」

「よく分かりません。妹の態度が影響しているのかもしれないし・・・私には和からないんです。どうして妹があんな態度をとるようになったのか・・・」
「お二人のおなかの底に溜まっているものを出し合うだけでも、ずいぶん、ちがうんじゃないでしょうか?」

「でも・・・」
「ひとつ、提案をしてもいいですか?」

「だれか、お二人が信頼している人はいませんか?その人に間に入っていただいたらどうですか?」
「・・・うん・・・・あ、そうだ。雅恵の同級生のお姉さんで、雅恵の気性を良く知っている先輩がいます。この間、東京の勤め先を辞めて戻ってきたって、お茶を飲みに来てくれた人がいますね」

「なるほど、その人は、悠美さんも良くご存知ですか?」
「はい、私の先輩でもありますので、大丈夫です。彼女なら、上手に話しに入ってくれると思います」

「直接解決するのは、お二人ですが、解決したい問題があることを伝えるために、先輩のご協力をいただいたらどうでしょうか?」
「はい、そうします。このままじゃ、お店も立ち行かなくなってしまうし。ご近所とも上手く付き合っていけそうにないので・・・」

「不安なことがたくさんあって、大変だと思いますが、ぜひ、先輩の方のご協力をいただきましょう。ところで、その先輩を交えた雅恵さんとの話し合いをいつ、行いますか?」
「先輩の予定があるので・・・」

「悠美さん、すべての問題を解決するためには、悠美さん自身が行動を起こさなければならないのですよ? いつにしますか?」
「はい、明日、先輩の都合を聞くために、メールを打ちます。その返事次第では、すぐに逢う事が出来ると思います」

「そうですね。では、明日、メールを打ってみましょう」
「はい、ありがとうございました」

「こちらこそ、厳しいことを申し上げましたが、お許しくださいね」
「いえ、厳しいとは思えませんでした。コーチのお人柄でしょうか?私もそんなふうになりたいですね・・・」

メタコミュニケーションを図って、このセッションを締めくくった例です。
誰にも目標があり、誰にもそれを解決する能力もある。そう信じることが大切ですが、クライアントを信じることと、黙っていつも見守ることが必ずしも機能するばかりではありません。最後の壁を乗り越えさせれば、行動を起こせるというときは、背中を押すのもコーチの役割ではないでしょうか?


竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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保護者からの電話に悩む先生~真意を伝えるコミュニケーションを考える~


高校サッカー部の新任顧問として勤務することになった熱血スポーツマンの坂本さん。入学式直後から、どうしたらこのチームのレベルを上げることが出来るのかと、練習のメニューや体力づくり、ひいては、筋肉をつけるための食事のメニューまで考えて、保護者にも協力を求めていました。
練習の指導にも熱が入り、子供達も自分の厳しい指導についてきてくれていると手ごたえを感じていました。
ところが、ある日の午後、練習を終え、残った仕事を片付け同僚であるバスケットボール部顧問の先生を誘いビールでも飲もうかと立ち寄った店の入り口で、保護者からの電話を受けたそうです。
「はい、坂本です。ああ、加藤さん、いつもお世話になります」と、さわやかに挨拶をするや否や、
「先生、食事の献立まで指図するのはいかがなものですか?我が家は共働きで、食事は簡単に済ませることだってあるし、出前をとることだってあるんです。
息子は、先生の立てるメニューどおりにしなければ、レギュラーから外されると神経質になり、ふさぎこみがちである。いったい、あなたは何様のつもりですか? 先生は栄養士の免状でも持っているんですか? たかが高校の部活の顧問ごときに、家庭の食事まで指図されなければならないことはない。それとも何ですか、うちみたいな共稼ぎの家の子供はサッカーをする資格がないって言われるんですか」と、怒鳴りつけられ、一方的に電話を切られてしまったそうです。
ショックを受けた坂本先生は、冴えない顔のまま、同僚が待つ店の中に入り、ビールで乾杯するも、気持ちはさえません。急に元気がなくなったことに気づいた同僚は、さりげなく話を切り出しました。

「急に天気が変わったようだね。今は大雨って感じだぞ。」
「ああ、そうなんだ。今日は子供達の体も切れていたし、モチベーションも高かったから、いい練習が出来たって思ったんだけどなぁ・・・」

「残念なことがあったのか?」
「ああ、まぁそうだな。残念っていうか、悔しいなぁ」

「悔しい? お前の気持ちが伝わらなかったのか?」
「ああ、今、部員の保護者からの電話でさ、俺の言い分を聞くわけでもなく、一方的に言いたいことだけ言われて、がちゃって・・」

「そうか、それは辛いな。どんなことを言われたのか、話す気になれるか?」
「ああ、いいのかな?言っても・・」

「守秘義務は守る!って言いたいけど、学校全体で考えたほうがよければ、上に相談するよ」
「そうだな。たぶん、学校にも連絡が入るんだろうなぁ・・あの調子じゃな・・まいったな」

「まいっているんだ。どんなことにまいってるんだい?」
「実は、保護者からのクレームの電話でさ。たかがサッカー部の顧問ごときが、家庭の食事まで指図するなって言われちゃったんだ。確かにそうかもしれないけど、うちの子達は筋力が弱いんだ。だから接戦の試合では負けてしまうことが多いんだ。おまえも運動部の顧問をやっているからわかってくれると思うけど、子供達に勝つ喜びを味あわせてやりたいんだ。
全国大会になんて一足飛びには思わないけれども、県大会では上位を狙えるところまで上げていきたいんだ。うちの子供たちにはそれくらい出来る能力はあるんだ。それが肝心なところで凡ミスが出て負けることが多い。前の学校のときにうちのチームと試合して感じたことなんだ。
少しでも強いチームにして、子供たちに自信を持たせてやりたくて。ついつい、力が入りすぎたのかなぁ・・」

「そうか、おまえは良かれと思ってしたんだろ?それが認めてもらえなくて挙句の果てに保護者のクレームか。保護者のクレームは受けたくなかったなぁ」
「ああ、そうだな。でも、真意を組んでもらえなかったのが悔しくて。子供たちのこと、自分だって真剣に考えているのに・・」

「そうだな。おまえは、今の教師にしては珍しく、子供の指導に熱意がある。ありすぎるといってもいいかもしれないな。ただ、そんなふうに熱くかかわられる親や子供はどんなふうに受け止めているんだろうか?」
「ん?・・・どんなふうに?って、もしかして、重荷になってるのかなあ?自分は出来ればそうしてほしいとアドバイスのつもりで言ったんだけどな・・・」

「いや、重荷になっているかどうか、自分には判断出来ない。でもなぁ、おまえはアドバイスのつもりで言っても、相手にとっては顧問の先生の言葉って絶対にしなければならない命令に受けとるもんだぞ。
おまえの気持ちをちゃんと保護者に伝える方法を考えたほうがいいと思うんだ。一方的に情報を流しても、双方向に意見交換しないと、真意を伝えられないし,真意も汲み取れないんじゃないか?
今回、クレームの電話とはいえ、保護者から意見が聞けたというのはコミュニケーションとしては一歩前進、双方向の意見交換が始まったということだぞ、それはそれとしていいことなんだ。
これを踏まえて、この先どう子供たちや保護者と向かい合っていくかということじゃないかな。
クレームととるのか貴重なご意見を頂いたととるのかは、お前次第だ」
「そうかなぁ・・・そうだよな」

「何がそうさせるかわからんが、おまえと話すと気持ちが楽になるって言うか、明るくなれるなぁ。不思議だなあ。
よっしゃ、明日校長に今回のことを話し自分としての対応の仕方を説明して、保護者や生徒に自分の指導方法を伝える準備をはじめるよ。なんかすっきりしたな。雨降って地固まるでやってみるよ。よし、もう1度乾杯してもいいかな?」

居酒屋での会話です。同僚がコーチングを学んでいたかどうかわかりませんが、自然な会話の中でも、コーチと同じような会話を組み立てることは可能です。
しかし、コーチングを学べば、もっともっと、やる気を取り戻させ、行動計画を立て成果をあげることが可能になります。
ご自身の会話を振り返り、学ぶ前からコーチとしての資質を感じる皆さん。コミュニケーション能力向上と、人との関係をより楽しむためにも、ぜひ、一緒に学びましょう。


竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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市長選挙に立候補~最終目標を達成するために確実な方法を考える~


二宮さんは、近い将来、市長選挙に出馬を目指している四十歳。
しかし、地方の市の選挙出馬には、しがらみや決め事がたくさんあり、支援団体のご長老方の意見を聞いていると、このままでは出馬断念に追い込まれてしまいそうと、コーチングを受けることにしたそうです。

「はじめまして」
「はじめまして、よろしくお願いします。さっき、契約書に同意してサインしました」

「ありがとうございます。さっそくサインしてくださったんですね、市長選挙への出馬が目標であるとのことですが、よろしいですか?」
「はい。まずは、選挙に出て顔を売り、私の主義主張というか私の考えを市のみんなにわかってもらうことです。そして出来れば当選、市長になって三期で市政を改革したいと思っています。ただし、市政を改革するというのは、みんなには内緒です。とくにご長老方には。そんなことを言うと、足をひっぱられますからね」

「ずいぶん、信用していないんですね。ご支援くださっているのではないのですか?」
「いや、支援はしてくれていますが、どうも・・・私利私欲のために思えてならないんです。
これからの市の運営は、能力のある市長がひっぱらないと、すぐに財政が破綻に追い込まれます。これといった産業もなく、優遇・保護されている農家が多い。そんな町でも、ここは人が終の棲家とするには、自然にあふれた住み心地のよいところなんです。介護保険を使う世帯も多くなるでしょう。でも、安心して住めるふるさとにしたいんです。
ただ、この市は、今の市長の息のかかった業者や、市長の協力者が町政をしきっており、ここで変えないと、ずっと一部の考えで市の政(まつりごと)が進んでいってしまうんです。それで良いと思いますか?」

二宮さんは、コーチに質問を投げかけるように一気に話し終えました。

「私に分かることは、あなたが生まれ育った市が大好きであること、あなたがその市に恩返ししたいと思う気持ちが強いこと、そして何より、市長になりたいのではなく、市政を改革すべくリーダーになりたいという熱い気持ちです。同時に、あなたは強く自分の中に答えを持っている。それを支援したいと思う気持ちが、私の中に生まれたということです」

二宮さんは意外そうな顔をして質問されました。

「コーチ、私は私の中に、本当に答えを持っているのでしょうか?」
「どうしてそうお思いになるの?」

「選挙というのは、思っていた以上に、人に頼みごとをしなければならない。それに、あっちに挨拶に行け、こっちに挨拶に行けと、人形かロボットのように動かされる。マニフェストの話をし始めると、そんな難しいことは分からないが、今までの市長のやり方ではこの町は発展しない。新しい若い人の力をそそがにゃいかんなぁ・・と、一見、好意的に受け入れてもらえるんです。でも、本音はそうじゃないらしい。選挙を通して自分の利権を大きくしようと思っているふしがあるんです。
自分の支持している○○党に入れとか、自分の懇意のどこそこの社長に挨拶をして、社員に協力してもらえとか。そのためにはその人に受けのいい事をしゃべれとか 言われるんです。
しがらみのない選挙、草の根選挙を目指したいという自分の思いが、どんどん薄められていってしまう。いったい、自分は何のために選挙に出ようとしているのか、このごろでは、自信が持てないんです。それでも、私は戦うべきなのか・・・」

二宮さんは、最後は辛そうに語ってくれました。

「支援団体の人がいてそれでいて、しがらみのない選挙って、出来るんでしょうか?二宮さんは、どうお考えなんでしょうか?」
「うん・・・出来ないかもしれないって。選挙って、結局誰かの手を借りなければ出来ないものですから。でも、あんまり人の言うとおりに動かされたくない気持ちが強い。特定の政党員としてではなく、若い人たちと一緒に、この町の将来を考えていきたいんです。そのためには、1回や二回、落選することも覚悟の上です」

「落選も覚悟の上というのは、立派な心がけだと私は思いますし、支持します。ただ、そういうあなたの頑なな態度を、年配者はどう見るのでしょうか?」
「・・・・生意気かな?」

「あはははは、笑ってごめんなさい。生意気ですか?中学生みたいに思われているのを感じているのかしら?」
「まぁ、そんなところでしょう。田舎なので、親父の代の人間関係とか引き合いに出されて、お前の親父の非情さを知っているから、お前を応援しないとあとで何をされるか分からない、だからお前を応援すると面と向かって言われたり。俺はお前が赤ん坊の頃から知っている。おまえみたいな甘ちゃんに、どんな考えがあるのか、えらそうなことを言っても、どうせ、たいしたことないだろう。くだらない理屈をあれこれ言わずに、市長になりたいのなら俺の言うとおりにしろ・・って言われたり。四十になった一人の男として扱われたことがないんです。ひよっこひよっこって、二の口つけばそれが出てくる。それでも、僕を信じてくれる同級生の仲間を頼りに、がんばろうと思うんですが・・」

「茶化すわけではないのですが、まずは出馬。その後は当選、その後三期で市政を改革する、という意気込みは、どこかに飛んで行っちゃいそうですね。まずは、出馬。そのために、今活動している中で、一番、あなたが気に入らずにいやいややっていることは何ですか?」

この質問から、ようやくコーチングらしいセッションを開始しました。

志を高く持ち、自分の価値観を犠牲にしてまで、この活動に身を投じようとした二宮さん。でも、やはり、自分のポリシーや価値観を捨てられるかどうか、その後のセッションはこれを中心に進めました。

「市長になるために、自分の考えをいったんふせるころが出来ますか」
「あなたは、何のために市長になりたいんですか」

「あなたにとって支援者ってどういう存在ですか」
「市長になって具体的に何をしていくつもりですか」

「それをするとどうなりますか」
私の質問に、ときには深く考えながら、ときにはため息をつきながら、決して投げ出さずに自分で考えて答えを出していただきました。

「コーチ、私の中に答えがある というのはこういうことだったんですね。最初は、相談にのってくれずこっちにボールを投げてきて、頼りない人だと感じましたが、そうではないんですね。コーチングってすごいですね。これからもよろしくお願いします」

手段として、まず、出馬し、目標達成のために当選を目指す活動を受け入れる。
選挙までの時間は、八ヶ月しかありませんでした。選挙活動と平行して、コーチングも行った結果、現在、自分のポリシーや価値観を捨てずにみんなの理解を得て、新しいふるさとづくりのために、忙しく身を動かしています。
一念岩をも通す。支援するコーチも、時に心配なる位の芯の強さを失うことなく、コーチングを活かして、見事市長に当選。現在、新たな目標達成に向け、東奔西走しています。


竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
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専業主婦の悩み~社会復帰を目指すも心揺れる女性のキャリア・ビジョンの支援~


デザイン会社の社員として、男性と肩を並べてバリバリ仕事をこなしていた北村さん。
入社七年目、二十九歳のとき、自分の人生このまま仕事一筋でいいものかと迷っていたとき、会社から、女性なんだし、そろそろ結婚しないと子供を産めなくなるぞと上司に言われました。今ならセクハラで訴えただろうと思いますが、当時はそれもそうだなと思ってその言葉をきっかけに、手当たり次第にお見合いをし、自分にはない考えかたを持っていた男性の言葉に惹かれ、出会いから六ヵ月後には結納、知り合ってからわずか十ヶ月足らずで結婚式を挙げるというスピーディーさで、人生をチェンジし専業主婦になりました。

その後、三年して一人目の子供を授かり、更に三年後、二人目の子供を授かり、子育てに追われる毎日を、彼女なりに一生懸命過ごしてきたということでした。

ところが、二人目の子供が幼稚園に通うようになってから、専業主婦の毎日に疑問を抱き始めました。どうも自分の人生が自分の描いていたとおりになっていない、思っていたのとは違うとイライラするようになり、自分の悩みを理解してくれず家事を任せっぱなしの夫や子供に当り散らすようになってきたとのこと。あれだけ好きだった家事も最近ではおざなりになってしまい、このままでは、子供にも、夫にも愛想をつかされるのではないかという恐れを感じながらも、自分の思い通りにならないことが起こるたびに、私の人生を変えた上司の言葉や、結婚して生活を一緒にするようになったら、何のことはない、自分のことも自分で出来ない子供のような夫に不満が募るばかりだということです。

幼稚園や小学校のPTAで知り合ったお母さんたちとは世間話しはするけど、悩んでいる話をするわけにはいかず、自分の親に話しても、「ちょっと疲れているだけでしょ?」とか、「あなたがしっかりしないで子供たちはどうなるの?」「欲張りすぎないで、専業主婦でいいじゃない?」とたしなめられてしまい、話さなきゃよかったと後悔するばかり。一向に気持ちが前向きにならず、自分自身にも嫌いになる一方になっていたということです。

ある日、PTAの母親教室で、「コーチングというコミュニケーションスキルを身につけて、子供のやる気を引き出せるお母さんになりましょう」という講座のパンフレットを見て、私のところに訪ねてくれました。

「母親教室をお受けくださったそうですね。ありがとうございます。いかがでしたか?北村さんが実践出来そうなヒントはありましたか?」

私の質問に、北村さんは誠実に、「はい、とても参考になりました。私は、何事もきちんとしていないと気がすまないので、ついつい、『ああしなさい』、『こうしなさい』と子供たちに命令してばかりだったことに気付きました。だから、あれ以来、『ああしてほしいけどどうしたら出来る?』と、質問するようになりました。でも、自分がイライラしているときはどうしても・・・」

「今までどおりのかかわり方になってしまっている?」
「はい、いけないと思うのですが・・」

「ご自分を責めてしまうことはありませんよ。誰だって、今までのやり方になれているので、学んですぐ、新たな行動習慣で動けるわけではありません」
「そうですね。わかっているつもりなんですが、自分が思うとおりに自分もコントロール出来ないなんて、情けないですよねぇ」

「情けないとお考えなんですね」
「はい。なんだかわからないんですが、とにかくイライラして。自分の人生は自分で決めてきたつもりです。でも、こんなはずじゃない、もっと私は生き生きと生きているはずだったのにと、後悔ばかりの毎日です。男性社員と同じように昇級して、バリバリ仕事していたときのことを考えると、自分だけ、みんなに置いてきぼりにされているような気がして、うちにいても怖いんです。このまま、子育てだけに専念して、終わったと思ったら、その次は親の介護かもしれない。夫も私も歳をとってから結婚をしたものですから、両親はともに高齢で。なんだか、人の面倒見るためだけに生きているように思えて・・・」

「そうですね。女性にとって子育てと介護の問題は一大事業ですよね。どうしても子育てと、介護の問題は、女性が中心にならなくてはならないという風潮もありますよね。ところで、北村さんはもう一度、バリバリ仕事をしたいのですか?」
「ええ、そう思うんですが、過去にやっていたイメージやデザインの世界は、変化が激しいし、子育てに専念して、読む雑誌も子育てに関するものが中心なんていう生活では、もう、イメージの世界には戻れないような気がして。でも、私はそれ以外の仕事をしたことがないから、仕事を始めようと思っても、他のことは出来そうにないんです」

「今、いちばん関心が高いことは何ですか?」
「仕事をすることですかねぇ・・」

「どんな仕事?」
「それがわからないんです・・」

「仕事がしたい。子育てや家庭の仕事は、仕事としてとらえられませんか?」
「家庭の仕事を仕事としてとらえる?主婦の仕事なんて、たかが知れているじゃありません?掃除、洗濯、食事作り、子供の世話に夫の世話。舅や姑が訪ねてくれば愛想よくもてなさなくちゃならず、一生懸命やっても、だれもありがとうといってくれないんですよ」

「ありがとうという言葉が誰からもかからないのは、残念ですねぇ。北村さんは『ありがとう』の言葉が聞きたくて、一生懸命にやっているんですか」
「そんな。私は、『ありがとう』って言ってもらいたいからやっているわけではありません。でも・・・少しは、そんな気持ちを表してくれてもいいんじゃないかとも思います」

北村さんは、急に涙ぐみ、「あ~あ、どうして結婚なんてしちゃったんだろうなぁ・・。魔が差したとしか思えない」
というと、少しの間涙が止まらず、セッションを中断しました。

「友達でもない人に、泣き顔を見せたの、初めてかもしれない。恥ずかしいね!」と、彼女が明るく振舞うようになったとき、今後、コーチングを継続するかを確認しました。
「北村さん、私はこれからも支援を続けたいと思いますが、あなたにコーチは必要ですか?」

私のストレートな質問に、北村さんはすっきり笑顔で「初対面の人なのに、一〇年来の友達に相談に乗ってもらったみたい。すっごく深いところまで話を聞いてもらったって感じかな? どうしてコーチに話すとすっきるするのかそれだけでも知りたいので、とりあえず三ヶ月、お世話になります」とのことでした。

コーチは、コミュニケーションのスキルを高める訓練をすることによって、だれでもなれると思います。しかし、スキルだけ高まればよいのかというと、実はそうではありません。職業としてコーチングをするものの、自分とクライアントとの関係をどうしたいのか、しっかりした考えがあること。信頼関係が早く確立出来ること。それも重要な要素であることを再確認したセッションでした。

竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
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中小企業へ転職、やる気を失っている管理職への電話コーチング~転職先でのキャリア・プランを考える~


転職をして七ヶ月目の佐藤さん。仕事を続けようかどうか迷っていると、無料コーチングに電話をかけるなり訴えます。「七ヶ月で新たに転職を考えているのですね?」私は湧き上がる疑問をぐっと抑えて、佐藤さんの話を伺いました。
「私が再就職をした会社は、オーナー会社で典型的なワンマン社長が仕事を一人で切り盛りしていて、一から十まで全て、それこそ鉛筆一本買うのまで逐一報告し指示を仰がなければなければならないんです。組織というものがまったくないんです。

社員が頼りなく思えたのか娘婿を専務にして会社に入れたんですが、社長の娘が社員でもないのに毎日だんなさんである娘婿の専務と一緒に会社に出てきて、言いたい放題わがままし放題。この前なんか営業の車を自分の買い物に使ったりしているんですよ、営業マンの運転手付でね。
それでも何とか我慢をして、みんな社長の顔色を伺いながら、仕事はしているんです。

ところが、先日、私の提案した新人事制度導入に当たって社長と意見が合わず、激しく口論してしまったんです。娘婿や娘もいたんですが、父親をなだめるでもなく、ただ、おろおろして父親を見るばかりで、他の社員の手前、私も引っ込みがつかなくなって思いのたけをすべてぶちまけたんです。社長は横を向いてしまって、それ以来、社長との間が上手くいかなくなっているんです。どうしたものかと悩んでいます。でも、社員には部長として私が職務を全うしているところを見せるのも、教育だと思ったから頑張ったのだからあれでよかったと今でも思っています。しかし、相手は社長だし行き過ぎてはならないと思って、詫びも入れたんです。

しばらくして娘婿である専務に昼飯に付き合ってくれと言われ一緒に食事したところ、『佐藤さん、社長と仲良くやってくださいよ。僕、間に挟まるのは嫌ですからね・・』と言い出されて。いったいここはどんな会社なんだと思ったら、情けなくなって。社員たちは、毎日与えられたことしかせず、社長の好む報告はするけれども、機嫌が悪くなりそうな話はこっそり自分たちで処理している。過剰な残業をしても申告すると『能力がないからだ、遅くまでやればいいってものじゃないんだ、月給泥棒、電気代だってかかるんだぞ』と社長から怒られるから申告もしないし、社長のいうとおりにした仕事でクレームが出ると、社員は、黙って出張して改善に当たっている。業務命令でない出張先で事故にでも巻き込まれたらどうするのか。先行きがない会社に転職してしまったようで・・・」
佐藤さんは、ここまで一気に離すと、それっきり、黙り込んでしまいました。

「佐藤さん、佐藤さんが今一番解決したい問題は何ですか?」私は、ずばり、佐藤さんに伺いました。このまま、話を聴く時間を持つのも一つのセッションのあり方かもしれませんが、愚痴や不平、不満を聞くだけの時間に終わらせたくないと思い、セッションの方向を決めるために、質問をしてみました。本来なら、選択肢を上げ、どれかを選んでいただいたほうが良いのでしょうが、時間はまだ、たっぷり残っているので、あえて、自分の心とコンタクトをとってもらう質問をしたのです。
案の定、佐藤さんは、「一番解決したい問題ですか?・・・」と、聞き返すようにつぶやいて、また、しばらく沈黙されました。

私はコーチとしてコーチングをはじめたころは、クライアントの沈黙の時間が待ちきれず、再度質問を繰り返したり、違う質問をしてみたりと、クライアントを混乱させていたようですが、このごろは沈黙を恐れないようになったばかりか、沈黙の重要性を知ってからは、じっと待つことが出来るようになりました。
「ゆっくり考えていただいていいんですよ。待っています」と伝えることによって、更に自由に考える時間をたくさん持ってもらうよう、促します。

しばらくの沈黙の後、佐藤さんはやっと重い口を開かれました。「一番、解決したい問題は、会社との関係です。会社とのというのは変ですね。社長との関係です。零細企業は、社長イコール会社ですから、やはり社長との関係ですね」「なるほど社長さんとの関係ですね、それでは社長さんとどんな関係になりたいんですか?」

「私はある大手企業で生産工程管理部長として仕事をしていたんです。今の社長とは同じ業界で、業界の勉強会などで顔を合わせているうちに親しくなって、勉強会や懇親会以外でも、社長が出張されるたびに、食事をご一緒するようになっていたんです。私が五十二歳になって、関連会社に出向するかどうか、社内での立場をはっきりさせなければならなくなったとき、社長が、『うちに来て仕事をしてみないか?』と誘ってくださったんです。『君の工程管理業務に関する能力を買っている。会社を活性化するのにその能力を活かしてみないか』と、とても嬉しい言葉をかけていただいたんです。同じ仕事を続けられるのであれば、望まれたところで仕事をしたほうがいいと思って思い切って転職したんです。

ところが、会社に入ってみると、外で拝見する社長の顔と、社内での会社の顔がまったく違うということにまず驚かされて・・・。外面がいい人だったんだと理解してからは、社長に信頼を寄せることが出来なくなってしまった。社員は皆、社長のほうを見て仕事をしているわけですからね。これじゃ、強い組織を作ることは出来ない。強い組織が出来なければ会社の将来など期待出来ないんです」

きっぱりと言い切る佐藤さんに、私はひるまず質問を続けます。「将来に期待は出来ないけれども、社長との関係は修復したい。修復したら、佐藤さんはどうなるんですか?」
「私と会社、いや、社長との関係さえ修復出来れば、私のこれまでの腕をもう一度振るうことが出来ると思うんです。なんとしても、社員のあの『どうせ何やったって、社長のご機嫌一つなんだから、余分なことはやらない』という消極的な姿勢を変えたいんです」

「なるほど、社員の消極的な姿勢を変えたいんですね。それが、ご自身のこの会社での役割であると考えていらっしゃるわけですね。では、その役割を果たすために、何に気をつけて修復を図ればよいのでしょうか?」
「修復するのに気をつけることですか?どうして、そういう質問をされるんですか?何か、私に落ち度があったんでしょうか?」

「いいえ、何もありません。佐藤さん、あえて質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「かまいませんが、何か・・」

「佐藤さんは、この会社で社員の皆さんの消極的な姿勢を変えたいとおっしゃいましたが、それは何のためですか?」
「え?! それは・・・」

この日は無料体験コーチングで、時間が限られていたため、現状の確認が精一杯でしたが佐藤さんには、仕事をする目的、それを達成するとどうなるのかという目標の設計を考え、今後のキャリアプランを考えていただくよいきっかけになったことと思います。真剣に聴いてくれるプロを相手に、自分の立場を確認することは、ビジネスパーソンにとって大切なことであることを確信しました。

竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
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