コーチング事例集:コーチ養成講座で実践的なコーチング技能と資格取得を。セミナー、研修、コーチングであなたの課題を解決

コーチング事例集

専業主婦の悩み~社会復帰を目指すも心揺れる女性のキャリア・ビジョンの支援~


デザイン会社の社員として、男性と肩を並べてバリバリ仕事をこなしていた北村さん。
入社七年目、二十九歳のとき、自分の人生このまま仕事一筋でいいものかと迷っていたとき、会社から、女性なんだし、そろそろ結婚しないと子供を産めなくなるぞと上司に言われました。今ならセクハラで訴えただろうと思いますが、当時はそれもそうだなと思ってその言葉をきっかけに、手当たり次第にお見合いをし、自分にはない考えかたを持っていた男性の言葉に惹かれ、出会いから六ヵ月後には結納、知り合ってからわずか十ヶ月足らずで結婚式を挙げるというスピーディーさで、人生をチェンジし専業主婦になりました。

その後、三年して一人目の子供を授かり、更に三年後、二人目の子供を授かり、子育てに追われる毎日を、彼女なりに一生懸命過ごしてきたということでした。

ところが、二人目の子供が幼稚園に通うようになってから、専業主婦の毎日に疑問を抱き始めました。どうも自分の人生が自分の描いていたとおりになっていない、思っていたのとは違うとイライラするようになり、自分の悩みを理解してくれず家事を任せっぱなしの夫や子供に当り散らすようになってきたとのこと。あれだけ好きだった家事も最近ではおざなりになってしまい、このままでは、子供にも、夫にも愛想をつかされるのではないかという恐れを感じながらも、自分の思い通りにならないことが起こるたびに、私の人生を変えた上司の言葉や、結婚して生活を一緒にするようになったら、何のことはない、自分のことも自分で出来ない子供のような夫に不満が募るばかりだということです。

幼稚園や小学校のPTAで知り合ったお母さんたちとは世間話しはするけど、悩んでいる話をするわけにはいかず、自分の親に話しても、「ちょっと疲れているだけでしょ?」とか、「あなたがしっかりしないで子供たちはどうなるの?」「欲張りすぎないで、専業主婦でいいじゃない?」とたしなめられてしまい、話さなきゃよかったと後悔するばかり。一向に気持ちが前向きにならず、自分自身にも嫌いになる一方になっていたということです。

ある日、PTAの母親教室で、「コーチングというコミュニケーションスキルを身につけて、子供のやる気を引き出せるお母さんになりましょう」という講座のパンフレットを見て、私のところに訪ねてくれました。

「母親教室をお受けくださったそうですね。ありがとうございます。いかがでしたか?北村さんが実践出来そうなヒントはありましたか?」

私の質問に、北村さんは誠実に、「はい、とても参考になりました。私は、何事もきちんとしていないと気がすまないので、ついつい、『ああしなさい』、『こうしなさい』と子供たちに命令してばかりだったことに気付きました。だから、あれ以来、『ああしてほしいけどどうしたら出来る?』と、質問するようになりました。でも、自分がイライラしているときはどうしても・・・」

「今までどおりのかかわり方になってしまっている?」
「はい、いけないと思うのですが・・」

「ご自分を責めてしまうことはありませんよ。誰だって、今までのやり方になれているので、学んですぐ、新たな行動習慣で動けるわけではありません」
「そうですね。わかっているつもりなんですが、自分が思うとおりに自分もコントロール出来ないなんて、情けないですよねぇ」

「情けないとお考えなんですね」
「はい。なんだかわからないんですが、とにかくイライラして。自分の人生は自分で決めてきたつもりです。でも、こんなはずじゃない、もっと私は生き生きと生きているはずだったのにと、後悔ばかりの毎日です。男性社員と同じように昇級して、バリバリ仕事していたときのことを考えると、自分だけ、みんなに置いてきぼりにされているような気がして、うちにいても怖いんです。このまま、子育てだけに専念して、終わったと思ったら、その次は親の介護かもしれない。夫も私も歳をとってから結婚をしたものですから、両親はともに高齢で。なんだか、人の面倒見るためだけに生きているように思えて・・・」

「そうですね。女性にとって子育てと介護の問題は一大事業ですよね。どうしても子育てと、介護の問題は、女性が中心にならなくてはならないという風潮もありますよね。ところで、北村さんはもう一度、バリバリ仕事をしたいのですか?」
「ええ、そう思うんですが、過去にやっていたイメージやデザインの世界は、変化が激しいし、子育てに専念して、読む雑誌も子育てに関するものが中心なんていう生活では、もう、イメージの世界には戻れないような気がして。でも、私はそれ以外の仕事をしたことがないから、仕事を始めようと思っても、他のことは出来そうにないんです」

「今、いちばん関心が高いことは何ですか?」
「仕事をすることですかねぇ・・」

「どんな仕事?」
「それがわからないんです・・」

「仕事がしたい。子育てや家庭の仕事は、仕事としてとらえられませんか?」
「家庭の仕事を仕事としてとらえる?主婦の仕事なんて、たかが知れているじゃありません?掃除、洗濯、食事作り、子供の世話に夫の世話。舅や姑が訪ねてくれば愛想よくもてなさなくちゃならず、一生懸命やっても、だれもありがとうといってくれないんですよ」

「ありがとうという言葉が誰からもかからないのは、残念ですねぇ。北村さんは『ありがとう』の言葉が聞きたくて、一生懸命にやっているんですか」
「そんな。私は、『ありがとう』って言ってもらいたいからやっているわけではありません。でも・・・少しは、そんな気持ちを表してくれてもいいんじゃないかとも思います」

北村さんは、急に涙ぐみ、「あ~あ、どうして結婚なんてしちゃったんだろうなぁ・・。魔が差したとしか思えない」
というと、少しの間涙が止まらず、セッションを中断しました。

「友達でもない人に、泣き顔を見せたの、初めてかもしれない。恥ずかしいね!」と、彼女が明るく振舞うようになったとき、今後、コーチングを継続するかを確認しました。
「北村さん、私はこれからも支援を続けたいと思いますが、あなたにコーチは必要ですか?」

私のストレートな質問に、北村さんはすっきり笑顔で「初対面の人なのに、一〇年来の友達に相談に乗ってもらったみたい。すっごく深いところまで話を聞いてもらったって感じかな? どうしてコーチに話すとすっきるするのかそれだけでも知りたいので、とりあえず三ヶ月、お世話になります」とのことでした。

コーチは、コミュニケーションのスキルを高める訓練をすることによって、だれでもなれると思います。しかし、スキルだけ高まればよいのかというと、実はそうではありません。職業としてコーチングをするものの、自分とクライアントとの関係をどうしたいのか、しっかりした考えがあること。信頼関係が早く確立出来ること。それも重要な要素であることを再確認したセッションでした。

竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
講師プロフィールを見る


コメント(0) | トラックバック(0)

中小企業へ転職、やる気を失っている管理職への電話コーチング~転職先でのキャリア・プランを考える~


転職をして七ヶ月目の佐藤さん。仕事を続けようかどうか迷っていると、無料コーチングに電話をかけるなり訴えます。「七ヶ月で新たに転職を考えているのですね?」私は湧き上がる疑問をぐっと抑えて、佐藤さんの話を伺いました。
「私が再就職をした会社は、オーナー会社で典型的なワンマン社長が仕事を一人で切り盛りしていて、一から十まで全て、それこそ鉛筆一本買うのまで逐一報告し指示を仰がなければなければならないんです。組織というものがまったくないんです。

社員が頼りなく思えたのか娘婿を専務にして会社に入れたんですが、社長の娘が社員でもないのに毎日だんなさんである娘婿の専務と一緒に会社に出てきて、言いたい放題わがままし放題。この前なんか営業の車を自分の買い物に使ったりしているんですよ、営業マンの運転手付でね。
それでも何とか我慢をして、みんな社長の顔色を伺いながら、仕事はしているんです。

ところが、先日、私の提案した新人事制度導入に当たって社長と意見が合わず、激しく口論してしまったんです。娘婿や娘もいたんですが、父親をなだめるでもなく、ただ、おろおろして父親を見るばかりで、他の社員の手前、私も引っ込みがつかなくなって思いのたけをすべてぶちまけたんです。社長は横を向いてしまって、それ以来、社長との間が上手くいかなくなっているんです。どうしたものかと悩んでいます。でも、社員には部長として私が職務を全うしているところを見せるのも、教育だと思ったから頑張ったのだからあれでよかったと今でも思っています。しかし、相手は社長だし行き過ぎてはならないと思って、詫びも入れたんです。

しばらくして娘婿である専務に昼飯に付き合ってくれと言われ一緒に食事したところ、『佐藤さん、社長と仲良くやってくださいよ。僕、間に挟まるのは嫌ですからね・・』と言い出されて。いったいここはどんな会社なんだと思ったら、情けなくなって。社員たちは、毎日与えられたことしかせず、社長の好む報告はするけれども、機嫌が悪くなりそうな話はこっそり自分たちで処理している。過剰な残業をしても申告すると『能力がないからだ、遅くまでやればいいってものじゃないんだ、月給泥棒、電気代だってかかるんだぞ』と社長から怒られるから申告もしないし、社長のいうとおりにした仕事でクレームが出ると、社員は、黙って出張して改善に当たっている。業務命令でない出張先で事故にでも巻き込まれたらどうするのか。先行きがない会社に転職してしまったようで・・・」
佐藤さんは、ここまで一気に離すと、それっきり、黙り込んでしまいました。

「佐藤さん、佐藤さんが今一番解決したい問題は何ですか?」私は、ずばり、佐藤さんに伺いました。このまま、話を聴く時間を持つのも一つのセッションのあり方かもしれませんが、愚痴や不平、不満を聞くだけの時間に終わらせたくないと思い、セッションの方向を決めるために、質問をしてみました。本来なら、選択肢を上げ、どれかを選んでいただいたほうが良いのでしょうが、時間はまだ、たっぷり残っているので、あえて、自分の心とコンタクトをとってもらう質問をしたのです。
案の定、佐藤さんは、「一番解決したい問題ですか?・・・」と、聞き返すようにつぶやいて、また、しばらく沈黙されました。

私はコーチとしてコーチングをはじめたころは、クライアントの沈黙の時間が待ちきれず、再度質問を繰り返したり、違う質問をしてみたりと、クライアントを混乱させていたようですが、このごろは沈黙を恐れないようになったばかりか、沈黙の重要性を知ってからは、じっと待つことが出来るようになりました。
「ゆっくり考えていただいていいんですよ。待っています」と伝えることによって、更に自由に考える時間をたくさん持ってもらうよう、促します。

しばらくの沈黙の後、佐藤さんはやっと重い口を開かれました。「一番、解決したい問題は、会社との関係です。会社とのというのは変ですね。社長との関係です。零細企業は、社長イコール会社ですから、やはり社長との関係ですね」「なるほど社長さんとの関係ですね、それでは社長さんとどんな関係になりたいんですか?」

「私はある大手企業で生産工程管理部長として仕事をしていたんです。今の社長とは同じ業界で、業界の勉強会などで顔を合わせているうちに親しくなって、勉強会や懇親会以外でも、社長が出張されるたびに、食事をご一緒するようになっていたんです。私が五十二歳になって、関連会社に出向するかどうか、社内での立場をはっきりさせなければならなくなったとき、社長が、『うちに来て仕事をしてみないか?』と誘ってくださったんです。『君の工程管理業務に関する能力を買っている。会社を活性化するのにその能力を活かしてみないか』と、とても嬉しい言葉をかけていただいたんです。同じ仕事を続けられるのであれば、望まれたところで仕事をしたほうがいいと思って思い切って転職したんです。

ところが、会社に入ってみると、外で拝見する社長の顔と、社内での会社の顔がまったく違うということにまず驚かされて・・・。外面がいい人だったんだと理解してからは、社長に信頼を寄せることが出来なくなってしまった。社員は皆、社長のほうを見て仕事をしているわけですからね。これじゃ、強い組織を作ることは出来ない。強い組織が出来なければ会社の将来など期待出来ないんです」

きっぱりと言い切る佐藤さんに、私はひるまず質問を続けます。「将来に期待は出来ないけれども、社長との関係は修復したい。修復したら、佐藤さんはどうなるんですか?」
「私と会社、いや、社長との関係さえ修復出来れば、私のこれまでの腕をもう一度振るうことが出来ると思うんです。なんとしても、社員のあの『どうせ何やったって、社長のご機嫌一つなんだから、余分なことはやらない』という消極的な姿勢を変えたいんです」

「なるほど、社員の消極的な姿勢を変えたいんですね。それが、ご自身のこの会社での役割であると考えていらっしゃるわけですね。では、その役割を果たすために、何に気をつけて修復を図ればよいのでしょうか?」
「修復するのに気をつけることですか?どうして、そういう質問をされるんですか?何か、私に落ち度があったんでしょうか?」

「いいえ、何もありません。佐藤さん、あえて質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「かまいませんが、何か・・」

「佐藤さんは、この会社で社員の皆さんの消極的な姿勢を変えたいとおっしゃいましたが、それは何のためですか?」
「え?! それは・・・」

この日は無料体験コーチングで、時間が限られていたため、現状の確認が精一杯でしたが佐藤さんには、仕事をする目的、それを達成するとどうなるのかという目標の設計を考え、今後のキャリアプランを考えていただくよいきっかけになったことと思います。真剣に聴いてくれるプロを相手に、自分の立場を確認することは、ビジネスパーソンにとって大切なことであることを確信しました。

竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
講師プロフィールを見る


コメント(0) | トラックバック(0)

ダイエットする気はほんとうにあるの?~目標達成の意思を確認する~


このところ仕事が忙しく、移動はすべて自家用車にし、ドアtoドアで時間短縮するほどの仕事を引き受けているIC(独立業務請負人)の清水さん。
忙しい毎日を過ごす間には、ストレスもたまることが多いらしく、間食がすすみ、その結果半年で四キロも体重が増えてしまいました。このままでは健康を害してしまうが、食べることはやめられず、どうしたものかと悩んでいました。
このままではいけないと思って運動をすることにしました。カレンダーに、運動した日は○を、出来なかった日は×を記そうと決心し、初日は勢い込んで、ウォーキングをしたものの、始めて二週間で実行出来たのはわずか二日だけという、なんとも情けない結果となったカレンダーを見て、更に落ち込んでしまいました。
コーチとは、この三ヶ月は、自己啓発のための資格取得をテーマにコーチングをしていましたが、今夜は、テーマを変更して、「健康維持を目的としてウェイトコントロールのために運動する」というテーマにして話すことにしました。

「高橋コーチ、お願いがあるんですがいいですか?」
「はい、清水さん、どんなことでしょうか?」

「ええ、今日のテーマを変更したいんですがいいですか?」
セッション開始直後、清水さんはコーチに訴えました。

「もちろん、私はかまいません。緊急に話したいことなんですね?」
毎回丁寧なセッションをしてくれる高橋コーチを、清水さんはとても信頼しています。

「はい、あの・・実は、この半年で四キロも体重が増えてしまったんですね。それで、このままではいけないと思って、運動をしようと思ったんです。でも、私はとても運動音痴で、ジムに行って、ベルトの上を歩く機械あるじゃないですか?あれで、酔っ払って気分が悪くなったり、スピードについていけなくて、落ちそうになったことがあるんです。どうにもこうにもならないんですね。水泳は、得意なんですが、ジムが開いてる時間には、仕事を終えられる日ばかりじゃないので、継続が出来そうにないし・・・。それで、ウォーキングをしようと思って、まず、ウォーキングシューズは買ったんです」

「なるほど、ジムでの運動は得意じゃないけど、水泳は得意。でも、時間が合わないので、ウォーキングをしようと思ったわけですね、すでにウォーキングシューズは買ったのね?やる気の表れですね」
「はい、それで、歩く予定も手帳の中に書き入れてはあるんですが、なかなか予定どおりにはいかないんです。例えば、書類の作成をしている途中で、お客様からの電話が入って、時間が押してくると、まぁいいか、ウォーキングは後にしようと思って、歩くという予定を後回しにしちゃうんですね。それで、結果、半月の中で歩けたのは二日間だけという悲惨な状態になってるんです」

清水さんの声がいつになく元気がなさそうだったことを受け、高橋コーチは、丁寧に質問を始めました。

「清水さん、今、とてもがっかりしているように感じるんだけど、やろうと決めたときの気持ちと出来なかったという現実の気持ちを点数でそれぞれ表してもらってもいいですか?」
「はい。やろうと決めたときはもちろん百点。今は、二十点かなぁ・・」

「なるほど、今は二十点なのね。百点になると、体重は減るの?それとも、百点になると、歩く習慣がつくの?」
「百点になったら?・・・う・・ん・・百点になったら歩く習慣がつくと思います」

「なるほどね、百点で習慣がつく。歩く目的はダイエット?それとも健康維持を目的としたウェイトコントロール?」
「健康維持を目的としたウェイトコントロールかなぁ・・」

「ダイエットじゃないのね?」
「結果としては、体重が減ると思うけど・・。目的は、健康維持を目的としたウェイトコントロールかなぁ・・どっちだろう?」

「どっちかにしなくちゃいけないんだろうか?」
「ああ、そうですね。どっちかじゃなくてもいいですね。それぞれお互いがお互いの結果であると思います」

「ダイエットと健康維持を目的としたウェイトコントロール、お互いがお互いの結果であるわけですね」
「そうです。単なるダイエットだけだったら、食べる量を少なくすればいいことです。ウォーキングしてみようと思ったのは、単なるダイエットではなくて健康維持を目的としたウェイトコントロールを意識しているからです」

「ところで、ウェイトコントロールを意識してウォーキングをそてみようと思ってシューズまで買ったのに、現状で歩く時間の障害となっているのは、仕事の量が多いことなのかしら?」
「うん、それが一番の理由だと思います。だけどそれだけではない、運動不足だから歩くのが嫌になる。だから、郵便ポストまで歩いていって郵便物を出すとか、別の用事をあわせてしようと思うんですが、買い物なんかのときは、帰りの荷物が重いとか、なんだか、自分でいつも工夫しているのは、ウォーキングをしないための理由探しみたいなんですね」

「なるほどね。しないための理由を探しては止めてるんだ・・」
「そうですね。だから、すぐに中止に出来るんです」

「どうして中止してしまうんだろう?」
「結局は面倒くさがりなのかもしれません。それと心のどこかにウォーキングをしても、体重が落ちないとき、もっと過酷なことをしなければいけないので、ウォーキングを中止にすることで、体重が落ちない理由作りにしているのかもしれません」

「そうかぁ、じゃあね聴いてもいいかな? ウェイトコントロールのためのウォーキング、清水さんは、本当にしたいと思っているの?」
「・・・・」

高橋コーチが最後にした質問は、意志の確認です。
清水さんは、この質問にじっくり考えた後、高橋コーチと歩いた日は、写メールを送るという約束をし、現在、ほぼ毎日歩けるようになったとのことです。
仕事の合間や、移動のとき、ドアのまん前までは車で乗りつけず、公共の駐車場などを利用し、二十分は歩くという目標達成を目指し、カレンダーの丸印を増やしているそうです。

竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
講師プロフィールを見る


コメント(0) | トラックバック(0)

受験プレッシャーに悩む浪人生~セッションを通して考え直す受験の目的~


大学受験を控えている浪人生の兼子君。
今年こそは、国立大学の受験を失敗してはならないと考えています。
そのプレッシャーからか日一日と受験日が近づくにしたがって、気持ちがふさがっていくのを感じていました。
高校の卒業生で社会人となってコーチをしている人がいると聞いて、今の状況を何とかしたくて、わらをもすがる思いでコーチの元を訪れました。

「はじめまして、兼子さん。よろしくお願いします」
と、コーチは、とても優しい笑顔で迎えてくれました。

「早速ですが、大学受験を控え、こんなことをしてる場合じゃないというのに、自分でも分かっているのですがなぜかしら勉強に集中出来ていないんです。どうしたらよいのでしょうか?」と挨拶もそこそこにどんどん喋り始めた兼子さん。

何事もこんな態度で先へ先へと急ぐので予備校の先生からは、
「そういう落ち着きのなさが、今のあなたの成績に反映されちゃうんですよ。もっと、ゆっくり鷹揚に構えないと、いい結果はでませんよ」と、このところずっと注意を受けていたのですが、とにもかくにも、早くこの悩みから開放されたいと思う気持ちが、兼子さんの姿勢に感じられました。

「なるほど。ご事情はよく分かりました。コーチの私の整理のためにも、少し、ゆっくり話を伺いたいのですが、コーチングのために少し時間を使わせてもらってもいいですか?」
と、コーチは落ち着いた口調で話し始めました。
これは、予備校の先生とはずいぶん違うと、兼子さんには、コーチを観察するゆとりが出てきました。
兼子さんには理由が分からないのですが、コーチのオフィスを訪ねてからどんどん、気持ちにゆとりを感じていったようです。
コーチは、兼子さんのゆったり穏やかになった表情を見て、質問を開始しました。

「兼子さん、国立大学を目指す理由をお差し支えなければ伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」
「家もそんなに裕福でもないんで、国立大学を目指しているんです」

「そうですか。万一この受験に失敗したら、兼子さんにはどんな不都合が起きますか?」
「去年、受験して失敗してますので、今年はどうしても合格したいんです。両親も期待していますので・・・」

「なるほど。ご両親も期待されているわけですね。それでは、兼子さんはこの受験に合格すると、どんなことが学習出来るのですか?」
「農学部に入って、農業問題を研究したいんです」

「農業問題ですか。大事なことですね。それは、今目指している国立大学でないと勉強出来ないことですか?」
「そんなことはないんです。私の勉強したいことは、多くの大学で学べることです」
「いろいろな大学で学べるものなのですね。そのなかで今の志望校を選んだのは、どういう理由からですか」

「国立大学だと私立に比べて学費も安いし、地元の県庁に就職するにもそのほうが有利じゃないかと思うんですよ」
「すごいですね。将来のキャリアについての検討もされているわけですね」

「率直に伺いますが、兼子さんは、この大学に合格したいのですか?それとも、大学で研究をしたいのですか?」
「え?それは両方ですよ」

「そうですか。それでは、この大学の農学部を受けようと思ったのは、どんなところからですか?」
「予備校の模試で、自分の希望する大学の入学可能学部が農学部であったこと、それから、農学部について自分なりに、調べて、これからの日本には農業問題が大事になりそうなので、それを選んでみることにしました」

「それは誰かに相談しました?」
「はい、自分なりに調べて方向性を決めてから、予備校の先生に相談したところ、兼子さんの偏差値で十分合格圏内に入っているので、そこを目指すようにと言われました。また、両親に相談しても、国立大学に入って、あなたのやりたい研究をどんどんやってくれれば、それでいいということで、予備校の先生も両親も賛成してくれたし、自分もそれがいいんじゃないかなあって思うんです・・・・」

次々に、兼子さんに考えさせるような質問が続きました。

(「自分は何のために大学にいこうとしているんだろう」)
(「自分は大学に行って何をしたいのだろう」)
(「大学に行きたいのか、大学に行って勉強したいのか どっちなんだろう」)

「最後に伺いますが、兼子さん、ほんとうにそれ(大学での研究)は兼子さんがやりたいことなのですか?」
最後の質問を受けた兼子さんは、思わず、「う~ん・・・」とうなったまま、黙り込んでしまったそうです。

(「ほんとうに自分のしたいことは何なんだろう?」)
しばらくして、兼子さんは「コーチもやもやは、まだはれてはいませんが、自分が考えなければいけないことは、分かったような気がします。急がば回れで少し考えてみることにします」ときっぱりと言いました。

「そうだね。大学にいって勉強するのは、兼子さん本人なんだから、自分の気持ちをきちんと整理してみることは重要だと思うよ。そこを確認したうえで、自分でやってみようと思って、受験勉強をしていけば、結果は自ずとついてくるもんだよ」
受験勉強は、自分との戦いであるばかりでなく、家族や、学校の先生、予備校の講師など、かかわる人の数だけ悩みが出来るものであるといわれます。それは、ともすると自分だけの受験ではなく、家族のためや学校のためなど、他者の希望を背負ってしまうことから言われることだと思います。

兼子さんは、1年の浪人期間中に、すっかり周りからの期待を背負ってしまい、自分を見失ってしまっていたのです。
それを、コーチは、兼子さんの話すスピードや表情、しぐさなどを合わせることによって、
しっかり聴いてくれることを感じさせながら、心の芯にある兼子さんの自分自身の気持ちと向き合わせてくれたのです。
兼子さんは、この1回のコーチングですっかり自分を取り戻しましたが、自分の気持ちがぶれないように、引き続きコーチングを受けながら受験勉強をしようと決心しました。

竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
講師プロフィールを見る


コメント(0) | トラックバック(0)

「彼の気持ちがわからない」との悩み~恋人への思いを整理し、相手の気持ちを知る~


結婚を意識しながらなぜ、会話に熱中していないのか、漠然とした不安だったのですが、ようやく最近、彼のある「癖」で自分の感情が乱されているということに気がついたようです。
久代さんは、コーチとそのことをテーマに会話をしました。

「彼といっしょに何かを待つ間、たとえば電車に乗る駅でとか、レストランで係りの人が注文に来るまでや食事が運ばれるまでの間など、彼の貧乏ゆすりがとても気になるんです。ただ、貧乏ゆすりをしているだけならいいのですが、そういう時は、必ず私の話に空返事をしたり、めんどくさそうに返事をするんです。私はそういう彼の返事を聞くたびに、とても不安になるんです」と話し始めた久代さんに、コーチは「ひとつ伺ってもいいですか?」と前置きしながら質問をしました。

「久代さん、あなたの不安は、ズバリ!どんなことに対するものなのでしょうか?」コーチは、ナーバスなテーマであるがゆえに、久代さんに十分な配慮をしてから質問を投げかけたそうです。久代さんにとっては、まさに自分の心の核心を突かれた質問なだけに、答えることを躊躇しました。

「ゆっくり、自分の心と会話していいんですよ。どんな答えでもいいので怖がらないで考えてくださいね」と、満面の笑顔で考える時間を下さるコーチに感謝し、決心して答えたそうです。

「彼は、私に飽きちゃったんじゃないでしょうか? それが怖くて何も聴けないんです」
その後、コーチは、久代さんの気持ちを整理するために、いくつかの質問をしてくださったそうです。

「貧乏ゆすりは、彼の癖なの?」
「久代さんはいつごろから彼の癖が気になりだしたの?」

「つまらなさそうにしているとき、彼は何か別のことを考えたり、悩んでいたりするのではないの?」
「彼の心の中をのぞかせてもらうための質問で、彼がぜったいに嫌うタイプはどんな質問?」

などコーチの質問を受け、久代さん自身の気持ちの整理を行ったそうです。
そして久代さんは、次のデートで思い切って彼に尋ねてみたそうです。

「ねね、聴いてもいい? このごろ、貧乏ゆすりしている自分の癖に気づいてる?」
「空返事をするときって、何を別に考えているか、聞かせてもらえることなら聞かせてほしいけどいい?」と。

現在彼は「大きなPJを抱えており、初めてリーダーに抜擢されたのだが、会議に遅刻してくるメンバーや、書類の締め切り期限になっても仕事を終えられない後輩を抱え、時間に対する感覚が、これまでとはまったく比べものならないくらい研ぎ澄まされている。また、そんなふうに、時間時間とみんなを縛っているような気がして、どうも嫌なんだ」ということを聞かせてもらえたそうです。

現状を確認することの大切さを、久代さんは改めて感じ、勇気を出してコーチの質問に答えた自分へのご褒美は、彼の悩みを打ち明けてもら
えたということであったと、コーチに報告しました。久代さんは恋愛にもコーチングは必要で、機能することを感じたようでした。


竹内 和美竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
講師プロフィールを見る


コメント(0) | トラックバック(0)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25

カレンダー

<< 2017年 6月 >>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930

カテゴリ別アーカイブ

月別アーカイブ